横綱の締める縄

最終更新: 2019年9月20日

前場所で惜しくも引退してしまった日本人唯一の横綱だった稀勢の里。

今となれば、大変貴重な儀式に立ち会わせてもらったのだ。


「縄打ち式」と呼ばれ、相撲部屋の力士が総動員して行う横綱が締める縄を

縒り合せる神聖な儀式に招待されたのだ。

誰もが、立ち会えることは出来ないが、昔から麻農業が盛んな栃木の麻農家さんから

声をかけてもらい実現したのだ。


材料は、精麻と呼ばれる大麻の繊維を使う。

3本の小縄を縒り合せ両端を細く中央部分を最も太くなるように作る。

それに白い布をかぶせて仕上げていくのだ。


力士の横綱昇進時に新しく作り、現在では東京場所毎に作り直す。

大相撲においては、横綱は全ての力士を代表する存在であると同時に、

神の依り代であることの証とされている。

それ故、横綱の土俵入りは、病気や故障の場合を除き、現役横綱の義務であると

いうことだ。


この様な日本古来からの伝統儀式に麻の繊維がかかわってたという事は、あまり知られてない。


戦前まで、2万5千軒以上あった麻農家は、現在では、30軒足らずになってしまった。

なぜ麻農家が減ってしまったのか、化学繊維や石油製品が普及し麻である必要性が近年は

無くなってきたのであろう。

戦後のアメリカのGHQからの要請も大いに関係が深かったのだろう。


KINARI 19号に紹介してもらった "GOHEMP”の横綱の刺繍ジャケットには、

麻(HEMP)との日本古来からの関係の想いを込めたメッセージだ。








Joe Hashimoto(橋本 浄)


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