top of page

KENZO BY NIGO 2024S/S



パレ・ド・トーキョーとエッフェル塔をセーヌ川上につなぐドゥビリ歩道(PASSERELLE DEBILLY)で発表されたKENZOの2024年春夏のウィメンズとメンズのコレクションは、髙田賢三氏のヘリテージとNIGOの現代的なビジョンを結びつけ、シティ・ポップの思い出に映し出された。1980年代の日本でデザイナーが青春時代に聴いていたサウンドトラックは、マルチジャンルのポップ、ファンク、ブギーと共に、グラフィックで洗練されたプレッピーでポッピーなルックスと相まってコレクションに軽快なスピリットを吹きこんだ。









このコレクションでは、日本と西洋のワードローブのコードを切り替えながら展開している。柔道の上着はチョアジャケットとして再コンテクスト化され、青海波(せいがいは)と呼ばれる古代の波模様がインディゴでアレンジされた。ウィメンズのシルエットは、透明感のある生地の軽やかなレイヤリングと、アーカイブのモチーフでよりエレガントなラインを強調。コレクションでは、グラフィックデザイナー、Verdyのシグネチャーであるスワッシュ・フォントでKENZOのロゴがウェアやアクセサリーに大胆に描かれた。





戦後の日本でシティポップが盛り上がりを見せ、髙田賢三のキャリアにおいても最も印象的な瞬間と重なり合っていた。近年、世界中でのこのジャンルの再評価が見られ、それが当初その道を切り開いた時代や文化から完全に切り離された若い世代によって行われたことから、NIGOの目にはKENZOのヘリテージが現代のメンタリティにおいていかに合致しているかを示す強力なアナロジーと映っている。



ショーのサウンドトラックは、1990年代中盤以来、NIGOと同世代の友人であり時折コラボレートもしているCorneliusによって制作された。



 

bottom of page