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Daido Moriyama "DAIDO HYSTERIC"


 

Daido Moriyama, Untitled. 2012. Silkscreen on canvas. 110 x 165 cm. Edition 2 of 3. ©Daido Moriyama Photo Foundation.



写真家、森山大道の代表的な写真集『Daido hysteric no. 4』をもとに写真展「DAIDO HYSTERIC」をGallery COMMONてにて、4月29日(金)から5月22日(日) まで開催することになった。


1993年に原宿の〈ヒステリックグラマー〉から出版された写真集『Daido hysteric no.4』は、ファッションとアートのクロスオーバーの先駆けとしての歴史的側面があり、90年代 以降の原宿を象徴するコラボレーションカルチャーの礎となっている。

「DAIDO HYSTERIC」では、『Daido hysteric no. 4』を中心とした写真に加え、森山大道がアーカイブより選り抜かれた同時代の未公開写真を含む48点のゼラチン・シルバープリントと9点のシルクスクリーンキャンバス作品の展示が予定されている。



また、本展に合わせ「Gallery COMMON」では、Akio Nagasawa Publishingと共同出版で1993 年に出版された本写真集のリマスター版を制作 。当時限定300部で発売されたこの貴 重な写真集を限定900部で復活。リマスター版900冊のうちの50冊は、オリジナルのゼラチン・シルバープリント付きのスペシャルコレクターズエディションとなる。

さらに、ヒステリックグラマー渋谷店では、2004年の森山大道 × ヒステリックグラマーのコラボレーションによるシルクスクリーンプリントの展示を期間中、同時開催される。

 

日本を代表する写真家の一人として、長年にわたりその地位を確立してきた森山大道(1938年大阪生まれ)。1960年代後半、前衛的な雑誌『Provoke (プロヴォーク)』で写真界に衝撃を与え一躍有名になった森山の作品は、原宿の老舗ファッションブランド「ヒステリックグラマー」の創業者、北村信彦ら後進にも大きな影響を与えました。


北村がヒステリックグラマーを創業した1984年は、日本のファッション界がDCブランド(※注1)全盛の時代。そんな、まだ「ストリートファッション」という言葉もなかったデザイナー主導のファッションシーンに登場した彼は、ロックンロールとそのサブカルチャーのグラフィカルなアルバムジャケットやステージスタイルからインスピレーションを得て制作を行っていました。彼のスタイルで何より重要だったのは、シーズンごとのコレクションをコンセプトから販売戦略まで全てデザイナーがコーディネートしていた従来のDCブランドの方式を否定し、その代わりに他のシーンで活躍するクリエイターと一緒に仕事をすると共に、サポートすることを重要視した点にあります。


80年代後半、北村は知人でファッション写真家の達川清の引越しを手伝った際に、『Provoke』などの古い写真集の箱を偶然発見し、写真集の出版を思いついたといいます。その後1991年に出版されたhystericフォトブックシリーズは、服の写真やブランドのマーケティング、広告などは一切含まない、写真家が自分の作品を発表するための純粋なプラットフォームとして確立しました。このようなファッションとアートのクロスオーバーは、今でこそ当たり前のことですが、当時は全く新しい動きとして、当初は多くの人を戸惑わせました。


そんなシリーズの第4段の発行だった「Daido hysteric no. 4」の制作が決まった経緯は、それまで数人の写真家を招いたオムニバス形式で出版されてたhystericシリーズに対し、森山が冗談半分で「1冊400ページ丸ごと出させてくれるなら、この企画に参加したい」と言ったのはじまりでした。作家本人からのソロ写真集のリクエストに北村は喜んで応え、森山はそれから1年半かけて街を撮影、1993年に渋谷ワタリウム美術館のオン・サンデーズで開催された「森山大道インスタレーション」展の開催と同時に本写真集は300部限定でひっそりとリリースされ、後にそれらを取り上げた新聞の特集がきっかけでそれまで戸惑っていた人々もようやく関心を持ち始めるようになります。その後北村と森山によるスタイルは国際的にも広まり、国内の人々がこの『Daido hysteric no.4』の存在を知った時には、既に入手困難な貴重なアイテムとなっていました。


Gallery COMMONでは、そんな原宿の文化的変遷を物語る貴重な出版物であり、アーティストにとっても重要な作品群の、初の展示開催そして、リマスター版写真集の販売を行います。ギャラリー設立から10年、原宿は急速な変化を遂げ、国際企業の進出、ファストファッションの増加、再開発プロジェクト、そして単純な時間の流れが、そこにある文化と風景を大きく変えてきました。本展がこの地域の遺産を守り続け、現在の街を形成し、世界のファッション、音楽、アートに影響を与えた90年代の「裏原」コラボレーションカルチャーの先駆者を次の世代に紹介する一助になればと思っております。 ※注1:「DC(デザイナーズ&キャラクターズ)ブランド」は、1980年代に日本国内で広く社会的なブームとなった、菊池武夫のメンズBIGIや川久保玲のコム・デ・ギャルソンなどの日本のアパレルメーカーによる高級ファッションブランドの総称。



タイトル:Daido hysteric no. 4

著者/作家:森山大道

出版社:Gallery COMMON & Akio Nagasawa Publishing

発行年:2022 ページ数:352 サイズ:36.5×31.5cm


リマスタードエディション

エディション:850、作家サイン&ナンバー入り

価格:15,000税抜き / 16,500税込


スペシャルコレクターズエディション

エディション:50、作家サイン&ナンバー入り

価格:100,000税抜き / 110,000税込


1枚 25.4×30.5cm ゼラチン・シルバープリント付き。5イメージ、各限定10部。

発売日:2022年4月29日(金)

Gallery COMMONおよび日本国内一部書店で購入可能(詳細は近日公開)。

オンライン・海外からのご購入はwww.akionagasawa.comより。


Details

Title: Daido hysteric no. 4

Author: Daido Moriyama

Publisher: Gallery COMMON & Akio Nagasawa Publishing

Year of publication: 2022

Page count: 352

Size: 36.5×31.5cm

Edition: 900, hand-signed by the artist and numbered

Remastered Edition

Edition: 850, hand-signed by the artist and numbered

Price: 15,000 tax excl. / 16,500 tax incl.

Special Collector’s Edition

Edition: 50, hand-signed by the artist and numbered

Price: 100,000 tax excl. / 110,000 tax incl.

Includes one 25.4 × 30.5cm gelatin silver print featuring 1 of 5 photos, 10 editions each.

Release date: April 29, 2022 (Fri)

Available for purchase at Gallery COMMON and select bookstores

in Japan (more information coming soon). Online & international

purchase available through www.akionagasawa.com.



展覧会概要

森山大道「DAIDO HYSTERIC」

2022年4月29日(金)~5月22日(日)

開廊時間: 12:00-19:00 (水~日) *月、火 休廊

Tel: +81 03 6427 3827

住所:Gallery COMMON

東京都渋谷区神宮前5-39-6 B1F

contact@gallerycommon.com


同時開催展

ヒステリックグラマー渋谷店 Daido Hystericシルクスクリーンプリント展

2022年4月28日(木)~5月22日(日)

営業時間: 11:00-20:00 *年中無休

TEL: 03-3409-7227

住所: ヒステリックグラマー渋谷店

東京都渋谷区神宮前6-23-2

www.hystericglamour.jp


*国や自治体の要請等により、 日程や内容が変更になる可能性があります。

 

森山大道

1938年大阪生まれ。写真家・岩宮武二、細江英公のアシスタントを経て1964年に独立。1968-70年には写真同人誌『プロヴォーク』に参加、「アレ・ブレ・ボケ」と形容されたハイコントラストや粗粒子画面の作風で急速に工業化が進んだ戦後の日本を撮影し、写真界に衝撃を与える。ニューヨーク・メトロポリタン美術館やパリ・カルティエ現代美術財団で個展を開催するなど世界的評価も高く、2012年にはニューヨークの国際写真センター(ICP)が主催する第28回インフィニティ賞生涯功績部門を日本人として初受賞。2012年、ウィリアム・クラインとの二人展「William Klein + Daido Moriyama」がロンドンのテート・モダンで開催され、2人の競演は世界を席巻した。2018年フランス政府より芸術文化勲章「シュヴァリエ」が授与された。2019年ハッセルブラッド財団国際写真賞受賞。

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